2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規CP12様タンパク質を介した超複合体によるC4植物葉緑体代謝制御機構
Project/Area Number |
17770034
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古本 強 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30313208)
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Keywords | 複合体形成 / カルビンベンソン回路 / 酸化還元 / NADP / C4光合成 |
Research Abstract |
本年は、我々が独自に見出した、新規C4葉緑体内複合体形成因子であるCP12Lの生化学的機能を明らかにするために、以下の2つの実験を行った。 (1)ペプチド抗体を用いた免疫組織化学染色による組織局在の解明 我々はすでに当該タンパク質が葉緑体に局在しうることをGFP融合タンパク質の追跡から明らかにしている。C4光合成は葉肉細胞と維管束鞘細胞の二種類の機能分化した細胞によって成立しており、どちらの細胞の葉緑体で機能するかを明らかにすることで代謝上の位置を狭めることができる。そこでパラフィン包埋葉切片に対して、ペプチド抗体をもちいた免疫組織染色を行い、組織特異性を調査した。 この結果、独立に調製した2種類の抗体はともに維管束鞘細胞葉緑体に交差反応を示し、当該タンパク質が維管束鞘細胞葉緑体で機能することを示す結果を得た。 (2)形成する複合体の組成を調査し、代謝上の位置を同定する 代謝上の位置を同定する試みとして、どういった複合体をどういった条件において形成しうるのかをin vitro複合体再構成実験によって調査した。まず、大腸菌内で発現させた組換え体タンパク質をカラム内に固定化し、植物タンパク質粗抽出液と混合することで複合体形成を促した。非特異的に結合したタンパク質を十分に洗浄することで取り除き、結合したタンパク質のみをSDS-PAGEによって分離し解析した。この結果、NADP存在下において複合体が形成され、ホスホリブロキナーゼとグリセロアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼが含まれることを示すことができた。
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Research Products
(1 results)