2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次ミトコンドリア核様体の分子構築とDNA機能発現制御のメカニズム
Project/Area Number |
17770052
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐々木 成江 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 講師 (20359699)
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Keywords | ミトコンドリア核様体 / DNA結合タンパク質 / Glom / 複製 / 転写 |
Research Abstract |
生体内において、ミトコンドリアDNA(mtDNA)は高度に折りたたまれ、凝縮したミトコンドリア核様体として存在する。そして、ミトコンドリアゲノムの基本的な機能である複製や転写は、そのような高次構造をとったDNAのなかで効率よく、かつ正確に営まれている。これまでに、非常に凝縮した大型ミトコンドリア核様体を持っ真正粘菌(Physarum polycephalum)を用いて、ミトコンドリアヒストン様タンパク質であるGlomを同定し、ミトコンドリア核様体内におけるその機能を解析してきた。本研究では、ミトコンドリア核様体の分子構築とDNA機能制御機構を明らかにするために、Glomおよび他のDNA結合タンパク質について解析を行っている。 本年度は、昨年度に行ったミトコンドリア核様体タンパク質のMS/MS解析により同定された、Lon protease、Topoisomrase、DNApolymerseの遺伝子の全長cDNAのクローニングをおこなった。その結果、真正粘菌のDNA polymerseは、5'-3'エキソヌクレアーゼ、3'-5'エキソヌクレアーゼ、DNAポリメラーゼドメインを含む新規のミトコンドリアDNAポリメラーゼであることがわかった。また、ミトコンドリアDNAポリメラーゼを精製し、DNA複製能のほかにリバーストランスクリプターゼ活性も保持していることを確かめた。さらに、それぞれのタンパク質の細胞内局在を明らかにするために、それぞれの抗体を作成した。ウエスタン解析の結果、すべてのタンパク質がミトコンドリア核様体フラクションに強く濃縮されていることが分かった。
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