2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770078
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
富谷 朗子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (60392940)
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Keywords | 進化 / シアノバクテリア / 光合成生物 / 形態 / 多様性 / 環境応答 |
Research Abstract |
シアノバクテリアの形態的多様性を支える分子機構を解明するため、次の研究を行った。 1.ホルモゴニア形成を制御する遺伝子の特定 研究代表者は、ホルモゴニア形成能を失ったトランスポゾン変異体5個を単離し、原因と推測される遺伝子配列を決定していた。これらの遺伝子の機能を確認するため、変異体を再構築した。5個の候補遺伝子のうち、3個の再構築体が得られ、それぞれについてホルモゴニア形成能と窒素固定能の確認、宿主のコケ植物との共生実験を行った。しかし、再構築された変異体は、トランスポゾンにより破壊された遺伝子以外に原因があったことが推察された。引き続き、残る2個の候補遺伝子について変異体の再構築、表現型の確認を進めている。 2.窒素固定に異常を来す変異体の解析 ホルモゴニア形成に関わる変異体の探索中に、窒素欠乏下で生育しない変異体が選別された。現在、この変異体が、窒素固定能と異質細胞形成能のどちらに異常を来しているのかを調べるために、還元環境下での培養および窒素固定活性の測定のための準備を進めている。 3.細胞分化を制御する遺伝子のシアノバクテリアにおける分布の調査 シアノバクテリアを構成する5目のうち、4目22属29種について、アキネート形成を制御する遺伝子の存在を検出するため、PCRを行った。今後、残る1目についても解析を進めるとともに、異質細胞およびホルモゴニア形成を制御する遺伝子の存在について確認していく予定である。
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