2005 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるタンパク質プレニル基転移酵素の生理機能の解明
Project/Area Number |
17770107
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 征司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90343061)
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Keywords | 植物 / シグナル伝達 / プロテオーム / プレニル化タンパク質 / プレニル基転移酵素 |
Research Abstract |
本研究では、高等植物におけるタンパク質プレニル基転移酵素の標的タンパク質を同定することにより、プレニル化を介して制御される生理機能についてより明確な知見を得ることを目的としている。これまでに報告されているタンパク質プレニル基転移酵素はすべてヘテロ二量体であり、既にゲノム解読が終了しているシロイヌナズナにおける相同遺伝子を検索したところ、ファルネシル基転移酵素(FTase)/ゲラニルゲラニル基転移酵素(GGTase)のαサブユニット(At3g59380)、FTaseのβサブユニット(At5g40280/ERA1)、GGTaseのβサブユニット(At2g39550)、Rab-GGTaseのαサブユニット(At5g41820,At4g24490)、βサブユニット(At3g12070,At5g12210)の存在が見出された。公開されている遺伝子挿入変異体ラインのストックを検索し、At3g59380、At2g39550、At5g41820、At5g12210の変異体種子を入手し、自家受粉させた次世代より遺伝子挿入ホモのラインを選別、取得した。これらの変異体の形態学的表現型を解析するために長日条件にて生育させたところ、FTase/GGTaseのαサブユニットであるAt3g59380の変異体は矮化、アルビノ化などの複合的かつシビアな表現型を示した。また、Rab-GGTaseのβサブユニットであるAt5g12210の変異体も著しい矮化の表現型を示した。At3g59380はABA高感受性かつ形態異常の表現型を示すera1のパートナーであるαサブユニットであると同時に、GGTaseのαサブユニットでもあると予想されるため、タンパク質プレニル化への大きな影響が考えられる。以上のことから、タンパク質プレニル化が植物の生育に非常に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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