2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770109
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中西 雅之 岐阜大学, 工学部, 助手 (00281048)
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Keywords | 熱帯熱マラリア / 非メバロン酸経路 / 抗マラリア薬 |
Research Abstract |
イソペンテニル二リン酸は,ビタミンやホルモンの前駆体であり,生物に必須の化合物である。この化合物の生合成経路は,ヒトとマラリア原虫で全く異なっているため,副作用の少ない抗マラリア薬を開発するのに格好の標的と考えられている。熱帯熱マラリア原虫の場合,その生合成経路は非メバロン酸経路と呼ばれ,七段階の酵素反応で成り立っているが,各々の酵素の性状(これは薬物開発に有用な情報である)はよく分かっていない。そこで,本研究ではRT-PCR法で各々の酵素遺伝子をクローニングし,異種細胞での発現系構築を目指した。また,酵素活性測定に必要な基質を酵素的に合成するために,大腸菌由来の同様の酵素についてもクローニングと発現系構築を行った。その結果,合わせて14種類の遺伝子を増幅し,発現プラスミドにクローニングすることに成功した。これにより,熱帯熱マラリア原虫の非メバロン酸経路を構成する酵素遺伝子が偽遺伝子で無く,予測されたシークエンスで発現していることが確実になった。また,マラリア原虫酵素については,IspFが既に報告されているように発現・精製できることを確認した。さらに,従来は人工的に設計し直した遺伝子を用いてのみタンパクレベルでの発現が確認されていた酵素が,オリジナルの遺伝子配列(マラリア原虫に特徴的な高いAT含量)からでも大腸菌発現系を用いて産生でき,数mgの精製酵素を得られることを新たに見出した。これを用いて未だ報告されていない酵素の性状を解析することに成功した。
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