2005 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌ATP依存性プロテアーゼLonおよびHslVUの基質切断機構
Project/Area Number |
17770116
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
西井 亘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30287461)
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Keywords | ATP依存性プロテアーゼ / プロテオリシス / リボソームタンパク質 |
Research Abstract |
ATP依存性プロテアーゼLonは,大腸菌内で2種の基質,すなわち変成等による異常蛋白質とある種の制御蛋白質を分解することが知られている.前者の分解は,細胞内蛋白質の品質管理に,後者の分解は細胞機能の調節にそれぞれ貢献すると考えられる.しかし近年,本酵素はリボソーム蛋白質の一部を分解することが明らかとなった.この分解は前期2種の基質の分解と異なり,アミノ酸飢餓状態で誘導される無機ポリリン酸依存的であり,枯渇したアミノ酸の補給に寄与すると考えられ,本酵素による基質認識の様式と細胞内における生理的意義の点で,前期2種の基質の分解とは異なる.本研究はこの第三の基質の本酵素による分解機構を詳細に検討した.その結果,Lonはポリリン酸存在下で,リボソーム蛋白質S2を3-17残基程度のペプチドにプロセッシブ分解すること,P1およびP3部位が主に疎水性残基で占められていること,主な切断部位は,基質の分子表面よりむしろ分子内部に偏在すること等が明らかとなった.これらの結果は,本酵素が本基質のペプチド結合切断に先立ち,基質の高次構造を変成させ,切断されるペプチド結合をプロテアーゼ活性部位に露出させることを示唆する.一方,Lonは無機ポリリン酸非存在下では8量体相当の分子量をもつが,ポリリン酸存在下では,4量体相当の分子量となることが,ゲル濾過クロマトグラフィーを用いた解析から示された.従ってLonは,ポリリン酸存在下で会合状態が変化し,認識する基質も変化することが示された.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Cleavage mechanism of ATP-dependent Lon protease toward ribosomal S2 protein2005
Author(s)
Nishii, W., Suzuki, T., Nakada, M., Kim, Y.-T., Muramatsu, T., Takahashi, K.
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Journal Title
FEBS Letters 579
Pages: 6846-6850