2005 Fiscal Year Annual Research Report
アラキドン酸の細胞内動態を可視化するための新規プローブの開発
Project/Area Number |
17770125
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平林 哲也 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (90345025)
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Keywords | 脂質 / アラキドン酸 / 細胞内動態 / 蛍光 / イメージング / ホスホリパーゼA2 / プローブ / GFP |
Research Abstract |
エイコサノイド前駆体や細胞内シグナル伝達分子として重要なアラキドン酸の細胞内動態を可視化するためのプローブを開発するために、第一段階として、細胞内遊離アラキドン酸濃度の上昇に応答して局在を変化させるプローブを作成した。まず、プロテインキナーゼCおよびジアシルグリセロールキナーゼと、オワンクラゲ由来緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質をチャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞に発現させ、共焦点顕微鏡による細胞内局在の観察を行うと、細胞外からのアラキドン酸添加に応答して、上記融合タンパク質は数秒程度で細胞質から細胞膜などの膜成分へ素早く移動した。これらの融合タンパク質は、アラキドン酸以外にも、細胞内Ca^<2+>濃度やジアシルグリセロール濃度の上昇によっても局在変化を引き起こしたので、Ca^<2+>やジアシルグリセロールとの結合に関わると推定される領域に変異を導入し、アラキドン酸のみに応答して局在を変化させる局在変化型アラキドン酸プローブのプロトタイプを作成した。受容体刺激により細胞内で遊離アラキドン酸を生成させた場合も、これらのプロトタイプは局在変化を示し、特異的ホスホリパーゼA_2阻害剤処理によりアラキドン酸生成を抑制すると、局在変化が起こらなくなった。さらに、小脳プルキンエ細胞の細胞体と樹状突起において、グルタミン酸刺激によりホスホリパーゼA_2が活性化されてアラキドン酸が遊離することが明かとなったので、小脳プルキンエ細胞における局在変化型アラキドン酸プローブプロトタイプの有効性を確認した。
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