2006 Fiscal Year Annual Research Report
トロポニン遺伝子変異による機能不全の分子メカニズム解析
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17770132
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
湯本 史明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30360150)
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Keywords | 心筋症 / Ca^<2+>感受性 / スキンドファイバー / 多次元NMR / 茶由来カテキン / 立体構造 |
Research Abstract |
拘束型心筋症(RCM)関連トロポニンI変異体の機能および構造研究と野生型心筋トロポニンの構造機能研究とを並行して、推進した。大腸菌による蛋白質生産系とイオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーを用い、本研究において用いる全ての蛋白質を調製した。RCM原因変異体(L144Q, R145W, A171T, K178E, D190G, R192H)は、再構成スキンドファイバーの張力を指標としたアッセイ系において、私はCa^<2+>感受性の亢進を齎すことを見出し、また、特に大きな感受性増強作用を発現するK178Eは、全ての変異箇所を含むC末端ペプチドを用いた変異体のNMR解析により、変異が齎す構造変化は局所的であることを見出した。K178E以外の変異も局所的な構造変化につながることを解明した。ただし、R145Wは不溶性となるため解析が不可能であった。この性質変化自体も大きな機能変化を齎す要因であると考えられた。 これらの研究結果に基づいて、さらに、九州大学医学研究院の森本、只野、東大院農学生命科学研究科の田之倉、永田ら、慈恵医大の大槻とともに、心筋スキンドファイバーのCa^<2+>感受性を減弱する物質について解析を行った。その結果、茶由来カテキンの1つであるEGCGが、心筋スキンドファイバーのCa^<2+>感受性減弱作用を与えることを見出した。さらに、EGCGは、心筋トロポニンCのC端ローブに結合し、トロポニンIのトロポニンCC端ローブ結合部位との相互作用を強化することを明らかにした。この結果、心筋スキンドファイバーのCa^<2+>感受性が増強していると考えられる。 さらに、また、ペプチドを用いたNMR実験により、心筋トロポニンI野生型のN末端30残基とC末端領域とが相互作用することを明らかにした。この結果は、これまでに知られていないトロポニンの制御(調節)機構の存在を示唆するものであると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Structural and functional analysis of troponins from scallop striated and human cardiac muscles2007
Author(s)
Murakami, K., Yumoto, F., Ohki, S-Y., Yasunaga, T., Tanokura, M., Wakabayashi, T.
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Journal Title
Advances in Experimental Medicine and Biology 592
Pages: 71-86
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[Journal Article] Infrared spectroscopic study on Ca^<2+> binding to Akazara scallop troponin C in comparison with peptide analogues of its Ca^<2+>-binding Site IV2006
Author(s)
Nara, M., Yumoto, F., Nagata, K., Tanokura, M., Kagi, H., Ojima, T., Nishita, K., Morii, H.
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Journal Title
Vibrational Spectroscopy 42
Pages: 188-191
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