2006 Fiscal Year Annual Research Report
天然条件で中間的構造をとる蛋白質のターゲット分子認識機構の物理化学的解析
Project/Area Number |
17770136
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
浜田 大三 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 免疫部門, 研究員 (60372132)
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Keywords | 分子認識 / 折れたたみ中間体 / 蛋白質 / 核磁気共鳴 / 自己組織化 / 変性状態 |
Research Abstract |
腸管出血性大腸菌の産するEspBは天然条件下において、通常の蛋白質の折れたたみ中間状態に似た構造状態を形成するNatively partially folded蛋白質の一つである。本蛋白質は、宿主細胞内のαカテニンと結合する機能を有していることが分かっていた。 本研究では、EspBのαカテニン結合機構に関する構造生物学/熱力学的解析を行い、Natively partially folded蛋白質が、どのようにして、そのターゲット分子を認識するのかについて明らかにすることを目標としている。 平成18年度においては、EspBに対する変異導入と異核種NMRによるαカテニンC末端ドメイン、及び、EspBの立体構造解析を中心に行う予定であった。 まず、基本的情報として、EspBのNMRによる帰属を試みた。なお、通常の溶媒条件では、中間的構造を形成しているためEspBのNMRシグナルは、非常にブロードで、全ての残基に対応するピークを観察することができなかった。そこで、いくつかの変性剤を添加して蛋白質を高度に変性させることにより、^<15>N-^1H HSQCスペクトル内の全ての残基に対応するピークを検出することを試みた。通常、このような測定には尿素を用いるが、EspBに対しては、良好なスペクトルを得ることができなかった。そこで、ポリペプチドのαヘリックス構造を安定化する溶媒であるヘキサフルオロイソプロパノールを重水素化を施したEspBに添加したところ、比較的良好なピークを検出することができた。しかしながら、得られたスペクトルには、未だにオーバーラップがあったため、インテインによる発現系を用いてセグメントラベルを行うことができる系を開発した。 これらのデータ及び、αカテニンのアサインメントの結果については、現在、解析中であり、近日中に発表する予定である。
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