2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現の転写後調節におけるプロテインホスファターゼPP1の役割
Project/Area Number |
17770137
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
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Keywords | PP1 / NIPP1 / RNA / splicing |
Research Abstract |
PP1は、真核細胞における最も主要なprotein-phosphataseの1つであり、細胞の増殖や生存に必須である。これまでに高等動物のPP1がグリコーゲン代謝・筋収縮・記憶・学習等に重要であることが明らかになっている。しかし、核に存在するPP1の機能については、ほとんど不明のままである。本研究課題では、遺伝子発現の転写後調節におけるPP1の役割について明らかにすることを目的とする。具体的には、PP1の活性調節タンパクとして精製されていた、NIPP1に着目して解析を行い、次のような知見を得た。 1.C端を欠失したNIPP1(NIPP1-ΔC)をコンディショナルに発現するヒト細胞を樹立し、この変異型NIPP1が、細胞の増殖停止やアポトーシス、splicingの抑制を引き起こすことを明らかにした。 2.「1」のようなNIPP1-ΔCの生物活性が、PP1との相互作用を介していることを明らかにした。 3.NIPP1のC端領域が、PP1のリン酸化修飾を調節した活性の制御に関与することを明らかにした。 4.不活性変異型PP1は、細胞内においてNIPP1と結合できず、また、効果的な核局在ができないことを明らかにした。 5.NIPP1の新規結合タンパクを探索し、転写調節因子や翻訳関連因子を同定した。 以上の結果から、NIPP1を介したPP1の活性調節が、細胞の生存や増殖、そしてRNA processingにおいて重要であることが示唆されたとともに、その詳細や制御機構を解明するための端緒となる、新たな知見が得られた。
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Research Products
(3 results)