2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖質応答領域結合タンパク質による糖質および脂質代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
17770145
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
椛島 力 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20274673)
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Keywords | 糖質応答領域結合タンパク質 / 転写因子 / 糖質代謝 / 脂質代謝 / タンパク質間相互作用 / DNA結合 / 転写調節 / Mlx |
Research Abstract |
糖質応答領域結合タンパク質(carbohydrate response binging protein ; ChREBP)は、多くの糖質代謝に関与する酵素遺伝子の転写調節を行う転写因子として見出され、最近では、脂質代謝関連酵素遺伝子の転写調節にも関与していることが明らかにされている。ChREBPは、そのアミノ酸配列より、basic helix-loop-helix leucine zipper (bHLH/ZIP)ファミリーに属しており、3ケ所のcAMP dependent protein kinase (PKA)によるリン酸化部位の存在が推定されている。また、本転写因子の標的配列への結合には、別のbHLH/ZIPタイプの転写因子であるMax like protein X (Mlx)が必要であり、さらに、ChREBPの核内移行やDNA結合能は、ChREBPのリン酸化/脱リン酸化により調節されていると考えられている。3ケ所のリン酸化部位の中で、Thr666は、DNA結合領域であるbasic領域に位置している。そこで、Thr666を含むChREBPのbHLH/ZIP領域を大腸菌で発現させ、Mlxとのタンパク質間相互作用やDNA結合能に、Thr666がどのように関与しているかを、変異実験やゲルシフトアッセイ、プルダウンアッセイにより調べた。その結果、Thr666は、タンパク質間相互作用やDNA結合には直接関与していないことを明らかにした。このことから、ChREBPの調節には、複数の経路が存在する可能性が推定された。また、変異実験の結果から、DNAとの結合にはbasic領域に存在するGlu671とArg675が重要であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)