2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムの安定維持において多様な機能を持つMrell複合体の制御因子の解析
Project/Area Number |
17770150
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Research Institution | Iwate College of Nursing |
Principal Investigator |
塚本 恭正 岩手看護短期大学, 看護学科, 講師 (80341725)
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Keywords | ゲノム / DNA修復 / DNA複製 / 細胞周期 / テロメア / 減数分裂 / 遺伝的組換え / 蛋白質複合体 |
Research Abstract |
Mre11-Rad50-Xrs2蛋白質複合体は、ゲノムの安定維持に多様な機能を発揮しているが、細胞内でこの複合体がどのように多様な活性を使い分けているのか、その制御機構については良く分かっていない。これまでの私の研究から、Xrs2蛋白質が複合体の制御因子として働くことを示唆する結果が得られている。そこで、Xrs2蛋白質の機能ドメインの役割、Xrs2蛋白質のリン酸化による活性制御機構、複合体の核内での局在について解析することで、複合体が生体内で必要な場所・時期に応じた適切な活性を発揮する際のXrs2蛋白質の役割について調べた。先ず、テロメア複製を必要とする状況、DNA修復を必要とする状況、岡崎フラグメントの修飾を必要とする状況など、この蛋白質複合体の各々の機能を必要とする状況を各種遺伝子に変異を導入することで創出した。その上で既に同定しているXrs2蛋白質の機能ドメインと物理的に相互作用する因子について免疫共沈法を使って解析している。またXrs2蛋白質のリン酸化にはTel1蛋白質リン酸化酵素が関わっているが、ヒトなどの哺乳動物におけるXrs2相同蛋白質とは異なり、Xrs2蛋白質自身のリン酸化が複合体の制御に与える影響は大きくはなく、酵母ではTel1蛋白質がXrs2蛋白質と物理的相互作用して、複合体の他の蛋白質、あるいは複合体と結合する因子をリン酸化することで活性の制御を行っているという予備的な結果が得られた。現在Tel1蛋白質によるリン酸化の標的について解析を行っている。また染色体の特定の箇所を切断するシステムを構築し、複合体を構成するMre11、Rad50、Xrs2蛋白質の核内での局在を調べる実験系も作製している。これら一連の解析を通してXrs2蛋白質による複合体の制御機構を解明している。
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Research Products
(2 results)