2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムの安定維持において多様な機能を持つMrell複合体の制御因子の解析
Project/Area Number |
17770150
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Research Institution | Iwate College of Nursing |
Principal Investigator |
塚本 恭正 岩手看護短期大学, 看護学科, 講師 (80341725)
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Keywords | DNA修復 / DNA複製 / 細胞周期制御 / テロメア / 遺伝的組換え / 核移行シグナル / 染色体 / 蛋白質局在 |
Research Abstract |
Mre11蛋白質複合体は減数分裂期の組換えによる相同染色体間の遺伝情報の交換に必須であるほか、細胞周期チェックポイント制御、テロメア長の維持、岡崎フラグメントの成熟などにも重要な働きを示している。遺伝的組み換え、染色体構造、DNA複製や細胞周期など細胞が生命を維持する機能に直接関与するMre11蛋白質複合体は、各々の機能を適切な時期および場所で発揮するために厳密に制御されていると考えられる。本研究ではその制御のしくみを明らかにするため複合体の制御因子であるXrs2蛋白質の機能の解析をおこなった。Xrs2蛋白質はMre11蛋白質を核内に運ぶ役割を担っていることが明らかになった。機能領域の解析からXrs2蛋白質は複数の核移行シグナルをもっており、それらはMre11蛋白質と結合する部位の両側に存在していた。またXrs2蛋白質を欠損した株でも、Mre11蛋白質に別の蛋白質の核移行シグナルを付与すれば、細胞はDNA修復能を保持するが、テロメア長の維持や減数分裂期組換えでのMre11複合体の機能は失われることがわかった。このことはXrs2蛋白質がMre11を核に運ぶ役割と共に、他の機能を有することを示唆する。これらの機能に関係する機能領域はすでに同定しており、これ等の領域に結合するほかの因子を酵母Two-hybrid Systemを使って探索したところ、いくつかの候補が得られた。現在、これらの因子についてMre11複合体のもつ機能との関連性を解析している。またMre11複合体の細胞内での配置を調べるため一部の機能を欠く突然変異をもつ各蛋白質にタグを付与し、DNA損傷を与えた細胞、テロメアーゼを欠損させた細胞、減数分裂期などの細胞など解析を行った。現在、各種条件化での各々の蛋白質の詳細な挙動をクロマチン免疫共沈法を用い分析している。
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Research Products
(1 results)