2005 Fiscal Year Annual Research Report
タンキラーゼ1・TAB182の生理機能とその制御機構
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17770151
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
清宮 啓之 (財)癌研究会, 癌化学療法センター分子生物治療研究部, 部長 (50280623)
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Keywords | タンキラーゼ / TAB182 / PARP / ADP-リボシル化 / 結合蛋白質 / 細胞生物学 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
ポリ(ADP-リボシル)化反応は、標的蛋白質に最も劇的な物性変化を与える翻訳後修飾のひとつであり、ゲノム安定性や転写制御をはじめ、様々な生命現象の調節に重要な役割を果たす。ポリ(ADP-リボシル)化酵素ファミリーに属するタンキラーゼ1は、テロメア結合蛋白質TRF1や中心体蛋白質NuMAをポリ(ADP-リボシル)化修飾し、テロメア伸長および紡錘糸極形成に機能する。新たに同定されたタンキラーゼ1結合蛋白質TAB182はタンキラーゼ1によるポリ(ADP-リボシル)化を受けるが、その生理的意義は全くの不明である。我々は、タンキラーゼ1とTAB182の相互作用によって司られる生理機能およびその制御機構を明らかにすべく、以下の検討を行った。(1)マウスTAB182+/- ES細胞クローンをブラストシストに注入し、これを偽妊娠マウスに移植してキメラマウスを取得した。同キメラマウスと野生型C57BL/6マウスの交配により、ヘテロ接合体(TAB182+/-)F1マウスを取得した。(2)マウスTRF1はタンキラーゼ1結合モチーフを持たず、タンキラーゼ1と結合しなかった。事実、ヒト細胞の場合と異なり、マウス細胞ではタンキラーゼ1はTRF1をテロメアから遊離させなかった。一方、タンキラーゼ1とTAB182の結合はマウスでも再現された。(3)同調培養法やチューブリン阻害剤を用いた検討により、タンキラーゼ1が細胞分裂期特異的にリン酸化されることを見出した。現在、同リン酸化に関与するキナーゼの同定および同リン酸化の生物学的意義について検討中である。
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Research Products
(3 results)