2005 Fiscal Year Annual Research Report
小胞輸送によるRhoファミリーG蛋白質の空間的制御機構
Project/Area Number |
17770162
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
黒川 量雄 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 研究員 (40333504)
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Keywords | RhoファミリーG蛋白質 / FRET / モニター分子 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
1 哺乳類細胞が極性をもって運動している際に、RhoファミリーG蛋白質(RhoA、Rac、Cdc42)がどのような活性分布を示すかを明らかにするためにFRET原理を利用したモニター分子を用いたイメージング実験を行った。RacとCdc42の活性分布はすでに報告したが、本年度はRhoの活性分布を明らかにし、発表した(Kurokawa K and Matsuda M.Mol Biol Cell.16, 2005, 4294-4303)。これまで予想されていたこととは異なり、Rhoは細胞が収縮する領域と伸展する領域の両方で活性化することを明らかにした。また、増殖因子等は細胞の形態変化を誘導するが、このとき誘導されるメンブレンラフルでRhoA、Rac、Cdc42のすべての活性が高いことも明らかにした。 2 1の結果を受けて、細胞の小胞輸送系を乱す薬剤などを用いて極性をもって運動している哺乳類細胞のRhoファミリーG蛋白質活性分布を調べた。その結果、薬剤処理によりRhoファミリーG蛋白質の活性分布が乱れることが明らかになった。また、小胞輸送には細胞骨格系が関与していることが知られているがこれらを阻害してもRhoファミリーG蛋白質活性の分布が乱れることも明らかになった。 3 一方、出芽酵母は、他精度の高い遺伝解析と自由度の高い遺伝子操作が可能であり、小胞輸送関連の多くの変異株も利用できる。そこで出芽酵母のRhoファミリーG蛋白質活性分布を解析できる系の作製もおこなっている。今までに作製したプローブを用いて出芽酵母内のRhoとCdc42活性分布を解析した結果、これらのG蛋白質が出芽部で顕著に活性化しているのが観察された。
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