2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア融合を制御するGTPase・MitofusinとOPA1の機能解析
Project/Area Number |
17770164
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 直忠 九州大学, 大学院医学研究院, 助手 (10325516)
|
Keywords | ミトコンドリア / オルガネラ / 膜融合 / GTPase / Mitofusin / OPA1 |
Research Abstract |
ミトコンドリアは二重膜構造のオルガネラであり、分化や細胞応答に伴ってその形態を大きく変化させるがその分子メカニズムの多くは理解されていない。本申請者はこれまでにミトコンドリアの形態は外膜のGTPase、Mitofusin(Mfn)に依存した融合と細胞質のDynamin様GTPase、Drp1に依存した分裂による動的な動きの中で制御されていること、2つのMfnアイソフォームが異なる組織発現パターンを示し両方がミトコンドリア融合に必須であることを示してきた。今回さらなる詳細な生化学的解析を行い、Mfn1に結合する約55kDaの蛋白質を同定した。この蛋白質は主に細胞質に局在しており、過剰発現によりミトコンドリアの断片化が、また発現抑制によりミトコンドリアの伸長が観察された。これらの結果から55kDa Mfn結合蛋白質はミトコンドリア融合を抑制的に制御する活性を持つことが明らかとなった。 膜間スペースに局在するもうひとつのダイナミン様GTPase、OPA1はヒト遺伝病Optic Atrophy Type Iの原因遺伝子として同定された。その酵母ホモログはミトコンドリア融合に機能することが知られているがOPA1の機能はほとんど明らかになっていない。我々はOPA1のN末端はミトコンドリア内膜を貫通していること、このN末端領域がミトコンドリアの活性に依存して切断されること、さらにこの切断がOPA1の機能を制御していることを明らかにした。 これまでにミトコンドリア形態制御の分子メカニズムは主に酵母遺伝学を基にして進展してきている。今回の結果は、哺乳動物では独自のミトコンドリア形態制御メカニズムがあることを示している。
|