2005 Fiscal Year Annual Research Report
比較ゲノム科学的解析に基づく動植物の新奇プログラム細胞死制御因子の探索と機能解析
Project/Area Number |
17770168
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
賀屋 秀隆 東京理科大学, 総合研究機構, 研究員 (80398825)
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Keywords | プログラム細胞死 / 比較ゲノム科学的解析 / Arabidopsis / HsILP1 / AtILP / AtSmac / apoptosis / BY-2細胞 |
Research Abstract |
動物・植物の双方から新奇プログラム細胞死制御因子を探索し,機能解析することを目的に研究をおこなっている. 1,AtILP(Arabidopsis thaliana IAP-like protein)の機能解析 シロイヌナズナに見出した2つの新奇IAPホモログAtILP1,AtILP2遺伝子を過剰発現させたタバコ培養細胞BY-2とシロイヌナズナを作成し解析をおこなっている.BY-2を用いた細胞死誘導系実験の結果,予備実験においてAtILP2過剰発現体株では過酸化水素による細胞死誘導が抑制された.この結果は,動物のアポトーシス抑制因子であるIAPと同様で,AtILPが植物細胞内でIAPホモログとして機能している可能性を示唆するものである. 2,HsILP1(Homo sapience IAP-like protein)の機能解析 HsILP1の機能ドメインであると考えているBLDに変異を導入したmutated HsILP1を4種構築した.これらのアポトーシス抑制能を検証するに際して適当な細胞株を検討した結果,Jurkat cellが適当であるという結論に達した.今後,Jurkat cellを用いてmHsILP1のアポトーシス抑制能を検証する. 3,シロイヌナズナにおけるSmac/DIABLOの機能的ホモログ因子の探索と機能解析 哺乳類のSmac配列を基にHMMERを用いてシロイヌナズナにおける機能ホモログを探索した結果,これまでのところAtSmacと名付けた候補を一つ得た.このAtSmac融合GFPはミトコンドリアに局在することを明らかにし,さらにAtSmac過剰発現BY-2は過酸化水素,エリシター誘導性細胞死を促進する可能性を示唆する結果を得た. 来度,以上の結果をふまえて、AtILP,AtSmacの植物における細胞死制御機構,HsILP1のヒト細胞における細胞死制御機構を明らかにする.
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Research Products
(2 results)