2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅林 恭平 Osaka University, 微生物病研究所, 助教 (60321733)
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Keywords | 細胞・組織 / 癌 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
上皮増殖因子(EGF;epidermal growth factor)受容体は,細胞膜でEGFに結合して増殖シグナルを発信すると,ユビキチン化されてエンドサイトーシス経路を運ばれる.ユビキチン化は受容体をリソソームに運んで分解するのに必要であり,癌化につながる過度な増殖シグナルを抑制するために必須である.c-Cblは受容体に対するユビキチンリガーゼであるが,c-Cblと共同で働くユビキチン結合酵素をUbc4/5と同定した.これは,細胞内局在,ノックダウンによる発現抑制,invitroでのユビキチン化活性,の3つの結果に基づく.EGF刺激した細胞で,Ubc4/5とc-Cb1はまず細胞膜に局在し,次にエンドソームに移行した.このことは,受容体のユビキチン化がエンドサイトーシス経路で持続することを強く示唆する.受容体のユビキチン修飾を調べたところ,ポリユビキチン鎖が付加されており,この鎖の伸長を阻害すると分解が遅くなった.さらに,ポリユビキチン鎖が細胞膜からエンドソームへ運ばれる過程で伸びていくこと,輸送の途中でユビキチン化を阻害すると受容体は速やかに脱ユビキチン化されて分解されなくなることを見出した.以上の結果から,EGF受容体のエンドサイトーシスではポリユビキチン鎖が輸送シグナルとして機能し,Ubc4/5とc-Cb1がずっとユビキチン化するのはポリユビキチン鎖を伸ばしてリソソームへ効率よく運ぶためであることが強く示唆された.
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