2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770174
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田ノ上 拓自 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 研究員 (10360588)
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Keywords | 細胞、組織 / シグナル伝達 / 脳、神経 / 発生、分化 |
Research Abstract |
細胞間接着分子であるカドヘリン分子群は、classic cadherinとnon-classic cadherinに大別できる。前者は、細胞内でカテニン系を介してアクチン骨格系と相互作用することが良く知られている。Classic cadherinは、adherence junctionを形成する細胞間接着分子として良く知られており、広く研究されているが、non-classic cadherinの研究はあまり進んでいないのが現状である。当研究は、non-classic cadherin分子群のうち、Fatカドヘリンと呼ばれる分子群に関して研究を進めることを目的とする。当年度は、Fat1の機能をさらに正確に理解することを目的として、classic cadherin系が弱い細胞を使用して、Fat1のRNAiによる表現型を検討した。Classic cadherin系が弱い細胞として、R2/7細胞株がある。これは、大腸上皮がん細胞であるDLD-1細胞株の、α-catenin(classic cadherinとアクチン骨格系をつなぐ分子)欠損株である。DLD-1においては、Fat 1はclassic cadherinとは異なり、主にbaso-lateral面に局在する。これまでの研究結果から、Fat1のknockdown細胞ではactinのorganizationと細胞間接着に影響が出ることが予測されるので、この2点に関して重点的に検討を加えた。その結果、Fat1はR2/7細胞におけるdynamicな細胞間接着を制御しており、かつ、filopodia状の細胞間接着構造の形成に関与していることがわかった。また、細胞内の結合分子の候補として、Srcファミリー分子のAbl,Hck,LckのSH3 domainがFat1と結合することを見出した。
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