2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17770174
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田ノ上 拓自 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 研究員 (10360588)
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Keywords | 細胞間相互作用 / 細胞骨格 / 細胞内情報伝達 / 足場タンパク質 / 神経細胞 |
Research Abstract |
Fatカドヘリンは、細胞間相互作用を担う分子群であるカドヘリンスーパーファミリーに属する分子群であり、哺乳類ではFat1〜4まで知られている。我々は、そのなかで、Fat1がEna/VASP分子群を介してアクチン骨格系を制御し、かつ、細胞間相互作用を制御する分子であることを明らかとし、以前に論文として発表した(Tanoue and Takeichi, J.C.B.2004)。我々は、さらにその詳細な機構を解明すべく、当研究期間に、Fat1カドヘリン分子の細胞内結合分子の探索を行った。その結果、hDLG1/SAP97とsyntrophinを同定した。両者とも、上皮細胞においては基底部に局在する足場タンパク質である。Fat1はその両者と細胞内で結合し、それらの足場タンパク質複合体の局在を制御していることを示した。さらに、Fat1の機能の一部が、それらの複合体との相互作用によって説明できることを示した。現在、論文にまとめつつあるところである。さらに、Fat1の類縁分子である、Fat3の機能解析の一環として、Fat3分子の生体内での発現パターンを詳細に検討した。その結果、Fat3は、発生段階の中枢神経系に発現が観察された。特に、臭球と網膜において高い発現が認められた。いずれの部位においても、神経細胞の軸策と樹状突起に局在が観察され、それらの発生過程において機能している分子であることが考えられる。Fat3の発現パターンに関しては論文としてまとめ、発表した(業績欄参照)。
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