2006 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ視覚系における視神経投射地図の形成機構
Project/Area Number |
17770185
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30345235)
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Keywords | retinotopy / 視覚系 / 軸索走行 / 視覚中枢 / Wnt / FAK / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ショウジョウバエ視覚系において、各視神経の複眼内での位置とその軸索の投射先の位置は完全に対応している(retinotopy)。このような対応関係を保証する機構を明らかにするため、この過程に関わる遺伝子の機能を解析している。これまでにWntファミリーに属する分泌性蛋白であるDWnt4の役割について研究し、視覚中枢の腹側で発現するDWnt4が視神経軸索によって受け取られ、non-canonical Wntシグナルを介して直接的に軸索走行を制御していることを示した。 本年度はretinotopy形成を保証するDWnt4以外の分子を探索した。focal adhesion kinase(FAK)はfocal contactに局在して様々な細胞運動過程を制御することが知られているが、そのショウジョウバエホモログFak56Dの機能はDWnt4と密接に関係していると考えられていた。そこでFak56D変異体の表現型を調べたところ、DWnt4に類似した表現型は見られなかったが、視神経軸索の通り道である眼柄の形態が異常を示し、それによって視神経軸索の束状化が失われたが。この異常は眼柄を構成するグリア細胞のみにおいてFak56Dを発現させることによって回復した。DFak56Dの機能は視神経軸索走行においてはDWnt4と関係していないが、眼柄形成を介して正常な視神経軸索走行に寄与していると考えられる。 ショウジョウバエの7種のWntファミリー遺伝子の発現を様々な時期において調べたところ、視神経軸索が投射する以前の早い時期においてはDWnt6が視覚中枢の腹側において発現していることを見出した。また、視神経軸索投射が完了した後の遅い時期においてはDWnt4とDWnt10が視覚中枢のより深部の神経節(medulla)のそれぞれ腹側・背側において特異的に発現していることを見出した。これらの遺伝子発現は視神経軸索およびその周囲に存在する別の神経軸索の走行を制御していると考えられる。今後はこれら腕遺伝子の変異体の表現型をそれぞれの時期において解析していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)