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2006 Fiscal Year Annual Research Report

腎尿細管の形成と管径調節におけるメダカ多発性嚢胞腎原因遺伝子pcの役割

Research Project

Project/Area Number 17770190
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

橋本 寿史  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助手 (30359757)

Keywords腎臓 / メダカ / 嚢胞 / 遺伝性疾患 / モデル動物
Research Abstract

メダカpcは多発性嚢胞腎症を発症する自然突然変異体である。pcでは腎尿細管特異的に管径の拡張が起こる。しかしながら、2006年7月に発表された論文、によると、ヒトではpcオーソログであるglis3の変異は新生児性糖尿病を引き起こすらしい。この報告を受けて、今年度本研究では、メダカとヒト・マウスのglisファミリー遺伝子を比較した。
glisファミリー遺伝子の発現
ゲノム上のシンテニーから判断すると、哺乳類のpcオーソログはglis3である。glis3の異なる3つの変異遺伝子座を持つ3家系においては、共通して新生児性糖尿病が認められる。3家系のうち1家系では多発性嚢胞腎を発症する。このことは、glis3は腎臓だけでなく膵臓においても重要な機能を担っていることを示唆する。そこで、メダカにおけるpc遺伝子の発現を調べると、膵臓において非常に強い発現が見られた。
哺乳類ではglis3の他にglisファミリーとしてglis1およびglis2の相同分子が報告されているが、いずれも機能は不明である。ゲノムデータベースの情報を基に、メダカのglisファミリーを同定したところ、メダカではpcの他に3つの近縁分子が存在した。これらの3分子はいずれも膵臓には発現していたが、腎臓では顕著な発現は認められなかった。
ノックアウトマウス
哺乳類におけるpc/glis3の機能を明らかにするために、理化学研究所CDB変異マウスチームと共同でglis3ノックアウトマウスの作製に着手し、ヘテロ接合体の単離に成功した。
pcと他のglisファミリー分子の腎臓における機能重複
pc変異体の胚でglisファミリー分子をノックダウンしたところ、腎臓もしくは膵臓にも何ら表現型は観察できなかった。
これらの結果から、メダカではpcだけが腎臓で特に重要な機能を果たしており、他のglisファミリー分子との機能的な重複は示唆されなかった。メダカpc変異体で膵臓に表現型が見られないのは、他のglisファミリー分子の相補によるのではなく、むしろ、魚類の栄養生理学的な特性によるのではないかと考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Patent(Industrial Property Rights)] 多発性嚢胞腎疾患関連遺伝子及びその利用2006

    • Inventor(s)
      橋本寿史, 若松佑子
    • Industrial Property Rights Holder
      名古屋大学
    • Industrial Property Number
      特許権、PCT/JP2006/310862
    • Filing Date
      2006-05-31

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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