2005 Fiscal Year Annual Research Report
水田雑草のスルホニルウレア系除草剤抵抗性遺伝子の動態に関する分子生態学的研究
Project/Area Number |
17780016
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
大迫 敬義 京都府立大学, 農学研究科, 講師 (80363969)
|
Keywords | コナギ / スルホニルウレア系除草剤 / 除草剤抵抗性突然変異 / アセト乳酸合成酵素遺伝子 |
Research Abstract |
本年度はコナギMonochoria vaginalisのアセト乳酸合成酵素遺伝子(Als)の塩基配列を単離し、スルホニルウレア系除草剤(SU)への抵抗性を付与する突然変異の検出を行った。公表されている被子植物Als遺伝子の塩基配列を参考にプライマーを設計し、コナギ全DNAを鋳型としてPCRを行い、増幅断片の塩基配列を決定した。その結果、異なる遺伝子座に相当すると考えられる4種類の配列が得られた。それぞれの配列に特異的なプライマーを用いてインバースPCRならびにTAIL-PCRを行い、遺伝子近接領域の増幅と塩基配列決定を行った。Als1、Als2、Als3の3遺伝子座についてはそれぞれの成熟型酵素コード領域全体、Als4については部分領域を増幅するプライマーをそれぞれ設計し、抵抗性生物型5系統ならびに感受性生物型3系統についてPCRを行った後、増幅断片をクローニングし塩基配列を決定した。 5個の抵抗性生物型のうち4生物型でSU抵抗性に関与すると考えられる塩基置換を見出すことができた。そのうち2生物型はAls1、別の2生物型はAls3の197番目のプロリン残基に対応するコドンで互いに異なるタイプの突然変異を示した。このことから日本各地で発生したSU剤抵抗性生物型はそれぞれ独立の起源を有することが示された。また、Als2ならびにAls4の2遺伝子座においてはSU抵抗性に関与する塩基置換が検出されなかった。このうち全長配列を決定できたAls2はAls1ならびにAls3と比較して塩基多様度が低く、SU抵抗性表現型の獲得にはAls遺伝子の遺伝的多様性が関わっていることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)