2006 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実感、Webテクノロジーを利用した景観可視化・評価システムの開発と実用化
Project/Area Number |
17780019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
林 恩美 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (60376366)
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Keywords | 環境分析 / 景観可視化 / 景観評価 / 近赤外線分光法 / バーチャルリアリティ / コンピュータグラフィックス |
Research Abstract |
景観計画・景観アクセスメントにおいて,3次元コンピュータグラフィックス(CG)による景観可視化は,専門家や非専門家たちの意思決定や代替案の検討に不可欠な技術として利用されている。しかし,3次元CGで作成した景観画像を,景観評価実験での被験者に対する景観提示媒体として用いる際の妥当性や有効性について検討した研究事例は少ない。その評価法においても,質問紙による主観評価が主に行われており,客観的指標に基づいた検討は極めて少ない。そこで,本研究では,マルチチャンネル近赤外酸素モニタによる脳の活動を指標とした生理応答測定法とSD法による主観評価法を用いて3次元CGに対する被験者の生理・心理反応を測定し,3次元CGで作成した景観画像を景観評価実験での被験者に対する景観提示媒体として活用するための客観的なデータを求めた。 景観評価実験は千葉大学園芸学部にあるシールドルームにて行い被験者は20歳から27歳までの健常成人8名(男:7名,女:1名)とした。評価実験では,近赤外線分光法(NIRS : Near-infrared spectroscopy)とSD法による主観評価法を用いた。視覚刺激として用意した画像の対象地は千葉大学松戸キャンパス内のフランス式庭園とした。また,被対象地の景観提示媒体としてはデジタルビデオにより撮影したビデオの動画と静止画,VRMLによる景観シミュレーション画像から作成した動画と静止画の4種とした。その結果,大脳皮質の内で前頭連合野においてはフランス式庭園のような緑地空間の景観画像に関し提示媒体の種類によらず無地画像閲覧時に対して生理応答に変化が認められた。また,同一の景観提示媒体に対して被験者ごとに生理応答は異なり,被験者によっては前頭連合野の中でも部位ごとに酸素化ヘモグロビン量の増加と減少の異なる傾向が見られた。また,その反応の経時的な変化傾向も異なることがわかった。
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