2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境耐性を持つツツジ遺伝資源の収集・評価と育種への導入
Project/Area Number |
17780024
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小林 伸雄 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (00362426)
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Keywords | ツツジ / 遺伝資源 / 環境耐性 / 育種 / 花木 |
Research Abstract |
本研究では、環境耐性を持つツツジ遺伝資源の収集・評価と育種への導入を目的として,(1)特殊な自生地環境に生育するツツジ遺伝資源の収集と生育地の環境調査により土壌を中心とした環境耐性に関する評価,(2)園芸品種・交配系統等を用いた環境耐性に関連する形質とDNAマーカーの遺伝性の検討による環境耐性形質の育種利用を進めており,18年度の研究実績は以下のようなものである. 1.ツツジ育種素材の収集と生育地の環境調査 17年度の土壌pH分析から,河川中・上流の河岸に自生するキシツツジは弱酸性土壌に生育するという結果が得られたため,18年度は中国地域のキシツツジ自生地の土壌生育環境の調査を中心に行った.その結果,岡山県等の石灰岩産出地域を流域とする河川川岸にもキシツッジが分布し,弱酸性から中性に近い土壌環境条件に生育していることがわかった.これらのツツジ野生種は土壌環境耐性を持つ貴重な遺伝資源であることが示唆された. 2.野生種および園芸品種の環境耐性に関する評価 代表的な野生種を用いて,異なるpH条件下における種子発芽実験を行い,種による発芽反応やpH耐性の違いを評価した.一方,代表的な野生種および園芸品種を土壌環境の異なる圃場に植栽し,根系の発達を調査したところ,種や品種による根茎の分布や発達密度の違いがあることがわかった.これらの結果は根系発達からみたツツジ遺伝資源評価において貴重な情報となりうる. 3.野生種と園芸品種に関連するDNAマーカーの検索 中国および四国地域に分布するキシツツジを中心にSSRマーカーを用いてDNA分析したところ,地域あるいは分布河川間における遺伝的多様性が検出された.一方,これらの野生ツツジの園芸品種成立への関与を示すマーカーも得られたことから,環境耐性形質に関連するDNAマーカー検索への進展が期待される.
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