2005 Fiscal Year Annual Research Report
キキョウ新規システインプロテアーゼ遺伝子-「花弁萎れ遺伝子」としての発現特性解析
Project/Area Number |
17780027
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小杉 祐介 香川大学, 農学部, 助教授 (80325323)
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Keywords | 遺伝子発現 / エチレン / 花弁 / キキョウ / システインプロテアーゼ / プロモーター / 花持ち性 / 老化 |
Research Abstract |
キキョウ花弁の老化過程におけるシステインプロテアーゼ(CPase)遺伝子PgCP1の発現動態,およびその発現制御に関わるプロモーター領域の解明に向け,以下の研究成果を得た. 1.花弁萎凋過程におけるCPase遺伝子の発現解析 PgCP1の全翻訳領域を含むcDNA(1,676bp)をDDBJ/EMBL/GenBank国際塩基配列データベースに登録した(アクセッション番号,AB252653).人工気象器で栽培した品種‘センチメンタルブルー'の花持ち性は5〜10日であった.花の老化進度を形態的特長から8段階に区分した.ステージI(開花直前)〜VII(萎凋進行)の花弁から得た全RNAについて,PgCP1 cDNAをプローブとしたノーザン分析を行った.その結果,PgCP1は(1)開花前の花弁では低レベルに発現⇒(2)開花直後から萎凋開始時にかけて極めて高レベルに発現→(3)萎凋進行時には再び低レベルに戻る,という発現特性を持つことが明らかになった.現在PgCP1のエチレン応答性についても解析を進めている. 2.ゲノムDNAからのPgCP1遺伝子プロモーター領域の単離と解析 DNA増幅装置を用いてTAIL-PCRを行った結果,‘センチメンタルブルー'のゲノムDNAからPgCP1のプロモーター領域を含むと考えられるサイズ約0.8〜1.5kbの複数の増幅DNA断片が得られた.現在これら増幅DNA断片をクローニングし,塩基配列の解読を行っている. 3.複数のCPase遺伝子が花弁老化に関与する可能性の検討 PgCP1 cDNAをプローブとしたノーザン分析では,サイズがわずかに異なる2種類の転写物のシグナルが検出された.このことから花弁ではPgCP1に加えPgCP1と塩基配列の類似した他のCPase遺伝子が発現している可能性が判明した.現在,このCPase遺伝子に相当するcDNAクローンの単離を試みている.
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