2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドリアンの結実機構解明のための受粉・受精に関する研究
Project/Area Number |
17780028
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
本勝 千歳 宮崎大学, 農学部, 助手 (30381057)
|
Keywords | ドリアン / 有効受粉期間 / SSR |
Research Abstract |
本年度は、実験計画に示した実験計画のうち、ドリアンの有効受粉期間の調査とSSRマーカーの開発を行った。 まず、ドリアンの有効受粉期間について開花前から開花時(午後7時ごろ)、さらに開花後にかけて経時的に受粉を行ったところ、開花12時間後以降つまり開花翌朝以降になると、受粉を行っても極めて結実率が悪い結果となった。これはこれまでに調査されてきた他の温帯果樹等と比較しても非常に短いものであり、興味深いものであった。次に受粉試験によって明らかとなったドリアンの有効受粉期間を非常に短いものに制限している要因を柱頭、花柱、子房の3つの部分にそれぞれ焦点を当て調査した。その結果、まず子房部においては今回調査を行った期間内において、胚珠、卵細胞等に変化は見られなかった。次に柱頭部から花柱にかけては、開花24時間後に受粉したものであっても花粉は発芽していたが、柱頭内では花粉管の伸張が見られなかった。花柱内部での花粉管の伸張阻害が起こる時期と受粉試験により得られた結実率が低下する時期がよく一致していたので、ドリアンの有効受粉期間を制限する要因は、花柱の花粉管伸張の阻害もしくは花粉管伸張のサポートの低下であると考えられた。 次にドリアンのSSRマーカーの開発を行った。‘Mon Thong'より全DNAを抽出後、制限酵素による消化、アダプターの付与、さらにPCRを経てゲノム断片を増幅後、マグネットビーズを用いてSSRを含む断片を選抜した。選抜断片をサブクローニングし、断片の塩基配列をシークエンスした。得られた塩基配列よりSSR領域をPCRによって増幅するためのプライマーセットを設計し、現在有効なプライマーセットの選抜を進めている。
|