2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 啓仁 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80282698)
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Keywords | イネ / オオムギ / 根 / ムギネ酸 / 鉄欠乏 / 遺伝子発現制御 / シス因子 |
Research Abstract |
イネ科植物の鉄欠乏時の遺伝子発現制御機構を明らかにすることを目的として研究を行っている.これまでにオオムギのムギネ酸類の生合成系の酵素遺伝子であるIDS2遺伝子の上流解析からイネ科植物の鉄欠乏の根で特異的に遺伝子発現を引き起こすシス因子であるIDE1,IDE2を見いだした.本研究では,このIDE1,IDE2に結合するトランス因子の単離,あるいはイネとオオムギのムギネ酸類による鉄獲得機構に関与する遺伝子の発現を支配する因子の単離をめざして研究を行った. 明らかとなった鉄欠乏応答性シスエレメントIDE1とIDE2を用いて,市販の酵母のone-hybridスクリーニングキットでトランス因子のスクリーニングを行った.スクリーニング用のライブラリーには,鉄欠乏のイネとオオムギの根から抽出したRNAを元に作成したcDNAプールを用いた.Bait配列としては,IDE1,IDE2を単独で複数回繰り返したもの,もしくはIDE1とIDE2を接続したものなどを用いた.その結果,特にIDE2を繰り返し用いたものからはこの配列に結合すると考えられる有望なクローンを得ることができた。この詳細については引き続き検討を行っている. シスエレメントIDE1とIDE2を含むIDS2プロモーター領域の一部を増幅し,この際に5'端をビオチンでラベルした.鉄欠乏栽培したオオムギの根から核抽出物をとり,ビオチンラベルされたDNAといろいろな条件下で結合させた.これをストレプトアビジン結合樹脂カラムを通し,ビオチン-ストレプトアビジンの結合によってシスエレメント結合性のタンパク質を精製する,という計画で研究を行った.いくつかのタンパク質の配列を決定したが,有望な配列は得られていない.
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