2006 Fiscal Year Annual Research Report
発現にrpoZを必要とする放線菌の形態分化と二次代謝に関与する遺伝子群の解析
Project/Area Number |
17780062
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
春日 和 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (40315594)
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Keywords | 応用微生物 / 遺伝子 / 抗生物質 / 分化 |
Research Abstract |
1 Streptomyces avermitilisの形態分化および物質生産に関与するrpozの影響 昨年度までに構築したrpoZ置換プラスミドを、S.avermitilisのエバーメクチン(AW)高生産株K139とAVM非生産株SUKA1に導入した。得られた形質転換体から二回交差によりrpozがloxP-hph-loxPで置換されたrpoZ置換株を単離した。CreタンパクによりloxP間領域を欠失させたrpoZ欠失株の作製はまだ成功していない。 これまでに、SUKA1由来のrpoZ置換株が灰色胞子形成を欠損したが気菌糸を形成したこと、K139由来のrpo2置換株がAVMの生産を欠損したことを明らかにしている。これら変異型がrpo2欠損のみによるものであるかは今後検討する予定である。 2 Streptomyces kasugaensisの気菌糸形成に関与する遺伝子群の解析とrpoZとの関連 S.kasugaensisの気菌糸形成がrpo2変異により欠損することに着目し、S.kasugaensisの気菌糸形成誘導遺伝子を単離・解析した。気菌糸誘導遺伝子amfRおよび誘導物質生合成遺伝子amfTについて、S.kasugaensisのゲノムDNAを鋳型として縮重PCRを行った。amfTの増幅に成功したため、その周辺9kb長のDNAをクローン化して塩基配列を決定した。amfTおよび誘導物質前駆体遺伝子amfS、ABCトランスポーター遺伝子orf3を見出した。これら遺伝子の発現を調べ、S.kasugaensisのrpoZ欠損株では野生株に比べて発現量が著しく減少したことを明らかにした。また、amfTS-orf3をrpoZ欠損株で強制発現させ、気菌糸形成の復帰を確認した。以上から,amfTS-orf3はS.kasugaensisの気菌糸形成に関与し、その発現がrpoZに依存していると考えられる。
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