2006 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母における脂質・脂溶性薬剤の排出メカニズムとPDIsの機能解析
Project/Area Number |
17780064
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
辻本 善之 京都府立大学, 農学研究科, 助手 (20315930)
|
Keywords | PDI / 脂溶性薬剤 / 脂質 / Saccharomyces cerevisiae / 二次元電気泳動 / 膜タンパク質 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて、脂質や脂溶性物質を細胞内から細胞外への排出の分子メカニズムを解明する目的で、(1)脂溶性薬剤耐性遺伝子のスクリーニングと同定、(2)膜タンパク質の二次元電気泳動法(2-DE)の改良、(3)protein disulfide isomerase(PDI)の生化学的解析を行った。 (1)脂溶性薬剤耐性遺伝子のスクリーニングと同定:薬剤として、脂溶性アゾール剤の一つであるクロトリマゾール(CTZ)と、水にも有機溶媒にも溶解するカフェイン(CF)を用いた。酵母の多コピーゲノムライブラリーを用いて、薬剤耐性遺伝子を検索・同定した。その結果、CTZ耐性遺伝子としてYPT31遺伝子などが、CF耐性遺伝子としてPDRIやSNQ2遺伝子などを同定した。 (2)膜タンパク質の2-DEの改良:脂質や脂溶性物質の排出に関わるタンパク質を、比較プロテオーム解析を用いて同定する目的で、2-DEにおけるサンプル調製方法などを詳細に検討した。その結果、通常の方法では困難とされる膜タンパク質の分離において、明瞭な分離パターンを得ることができた。 (3)PDIの生化学的解析:哺乳類では、脂質移行タンパク質複合体の1サブユニットとして知られるPDIの生化学的解析を行った。PDIの研究は、これまでに多くの研究がなされているが、生化学的解析は比較的少なく、研究グループ間に矛盾した結果もある。そこで、酵母Pdilpの大腸菌発現系と精製方法を確立した。その結果、SDS-PAGE上でほぼ1本にまで純化した精製標品でも、種々の活性の再現性は得られないことが分かった。そのことは痕跡程度のコンタミタンパク質がPdilpの多量体形成とin vitro活性に大きく影響を及ぼすことを明らかにした
|
Research Products
(2 results)