2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒耐性大腸菌を用いた有機溶媒耐性生体触媒の開発
Project/Area Number |
17780066
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
道久 則之 東洋大学, 生命科学部, 助教授 (60302957)
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Keywords | 有機溶媒 / 有機溶媒耐性 / 有機溶媒耐性微生物 / 大腸菌 / 有機溶媒耐性大腸菌 / 有機溶媒耐性生体触媒 / AcrAB / 溶媒排出ポンプ |
Research Abstract |
本研究の目的は、大腸菌の有機溶媒耐性変異株を宿主として用いて溶媒存在下における疎水性物質変換反応を行い、高度溶媒耐性大腸菌の溶媒存在下における変換菌としての有用性について明らかにすることである。そこでまず、既に取得している有機溶媒耐性大腸菌を親株として用いて、さらに有機溶媒耐性度の向上した新規な有機溶媒耐性大腸菌の取得を行なった。毒性の強い有機溶媒を重層した培地を用いて大腸菌を培養し、生育した有機溶媒耐性変異株を分離した。段階的に添加する有機溶媒の毒性を高めることにより、高度な有機溶媒耐性度を示す有機溶媒耐性大腸菌変異株を取得した。この結果、多くの微生物に対して強い毒性を示すp-キシレン存在下において生育する有機溶媒耐性度向上変異株を10株取得した。これらの変異株は、p-キシレン存在下では溶媒無添加の場合に比べて、100分の1から10000分の1程度の生育頻度を示した。これら有機溶媒耐性向上変異株のうち特に有機溶媒耐性度の高かった変異株のタンパク質発現を解析し、親株と比較して発現量が増加しているタンパク質を同定した。変異株の膜タンパク質と菌体内タンパク質を分離して調べた結果、膜タンパク質において顕著なタンパク質発現量の変化が確認された。また、膜タンパク質を内膜タンパク質画分と外膜タンパク質画分に分けて解析した結果、内膜タンパク質画分において複数のタンパク質の発現量の増加が確認され、これらのタンパク質の有機溶媒耐性への関与が示唆された。
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