2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17780072
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 正幸 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00344490)
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Keywords | 自殺基質 / デキストラナーゼ |
Research Abstract |
構造プロテオミクス、プロテオーム解析など網羅的なタンパク質の機能解析の一方で、各論的な分子機能解析も今後の重要な課題となる。その一環として自殺基質を用いた活性中心の探索法の開発が本研究の目的である。自殺基質の設計に関しては、基本骨格である糖分子と反応基であるエポキシ環までのアルキル基の長さを増減することで、基質結合部位から触媒残基までの距離を調節する。酵素失活の分子機構解析に関しては失活が自殺基質的であることを反応動力学的に実証する。 1.Bacteroides thetaiotaomicron dextranase(BTDEX)の大腸菌での生産 自殺基質の効果を解析するモデル酵素としてBTDEXを用いた。組み換えBTDEXの生産を大腸菌により行った。培養液1LからSDS-PAGEで単一なバンドを示す30mgの精製酵素標品が得られた。精製酵素の基質特異性を解析するとBTDEXはデキストランおよび糖残基数4以上のイソマルトオリゴ糖に対して特異性を示すことがわかった。 2.Epoxyalkyl-α-D-glucoside(ExG; x=3-6)を用いた阻害効果 BTDEXとアルキル基の長さ(炭素数3-6)が異なる自殺基質(E3G〜E6G)を混合し阻害効果を調べた。アルキル基の炭素数が5のE5GのみがBTDEXの活性を阻害した。E3G、E4G、E6Gは阻害剤として作用しなかった。 3.E5Gを用いた修飾 阻害作用をもつE5GとBTDEXを混合し、35℃で13h保持した後、超純水で透析し、濃縮した。その試料をMALDI-TOF MS分析に供した。MALDI-TOF MSによる質量分析によりBTDEXに1000Da程度の質量の増加がみられた。修飾処理した酵素試料をtrypsin消化した試料をMALDI-TOF MSで分析したが、修飾されたペプチドの同定をすることはできなかった。
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