2006 Fiscal Year Annual Research Report
レドックスをセンスする新規ヘム制御ホスホジエステラーゼの結晶構造
Project/Area Number |
17780073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒河 博文 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80359546)
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Keywords | X線結晶構造解析 / PASドメイン / ヘム / 分子センサー |
Research Abstract |
近年、ヘム濃度やヘムリガンド(酸素分子、一酸化炭素、一酸化窒素等)の濃度変化を感知して、これを細胞シグナルへと変換するヘムセンサーと呼ばれる新しいヘムタンパク質ファミリーが次々と見つかり、注目を浴びている。 本研究では大腸菌のヘムセンサータンパク質であるヘム制御ホスホジエステラーゼ(EcDOS)に着目した。ヘムセンサードメインについて、活性型であるヘム鉄還元型、ヘム鉄酸化型の両方についてその結晶構造を明らかにした。高分解能の結晶構造解析から、ヘムの酸化還元状態の違いによってヘムリガインドの交換が起こり、これがEcDOSヘムセンサードメインの三次元構造を変化させていることが明らかとなった。この構造変化がホスホジエステラーゼの活性を制御に関わっている可能性が強く示唆されたため、ヘムポケットを構成する疎水性アミノ酸を部位特異的変異法を用いて別のアミノ酸に置換し、その効果を検討した。 一酸化炭素のヘムセンサーとして転写制御に関わっている体内時計関連転写因子NPAS2の機能解析も行った。NPAS2はアミノ末端領域にDNA結合部位を有し、続いて2つのヘム結合PASドメイン(PAS-A、PAS-Bドメイン)を有する。そこで、PAS-Aドメインについて、ヘム結合、一酸化炭素結合等について詳細な解析を行うとともに、ヘム結合のDNA結合に対する効果について検討した。さらに、ヘム濃度に依存して翻訳レベルでタンパク質合成を制御するeIF2 alpha kinaseについて、多量体形成、ヘム結合と活性阻害などについて詳細な解明を行った。
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