2006 Fiscal Year Annual Research Report
アノマー反転型糖加水分解酵素のグライコシンターゼ化
Project/Area Number |
17780086
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
本多 裕司 石川県立大学, 生物資源環境学部, 助手 (40399382)
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Keywords | グライコシンターゼ / 糖加水分解酵素 |
Research Abstract |
一般的に、糖加水分解酵素は反応機構の違いから、「アノマー保持型酵素」と「アノマー反転型酵素」の2種に大別される。アノマー保持型酵素は糖転移反応も触媒することから、糖鎖合成のツールとして用いられている。さらに、アノマー保持型酵素は求核基を不活性化させることで加水分解能を消失させた変異型酵素と反対側のアノマー型のフッ化オリゴ糖を基質に用いて合成反応のみを触媒する、いわゆる「グライコシンターゼ化」した研究例も報告されている。一方、アノマー反転型酵素は糖転移反応を全く触媒せず、用途が分解反応に限られていた。また、アノマー反転型酵素の不活性型酵素とフッ化糖を組み合わせた上記のグライコシンターゼ化の研究も全く行われていなかった。 本研究ではアノマー反転型酵素であるRex(Bacillus halodurans C-125由来還元末端オリゴキシラナーゼ)をグライコシンターゼ化するとともに、その反応機構を解明することを目的とした。 ランダム変異によって糖転移活性が認められたグライコシンターゼ2種(D263NとD263C)および野生型酵素を大量発現および精製し、これらの酵素の反応性に対する糖供与体(X2-F)と糖受容体(X1)の比率などを調べて、糖転移反応を効率よく触媒するグライコシンターゼの性質を決定した。野生型および両変異型酵素のグライコシンターゼ反応と加水分解反応を解析した結果、野生型酵素はX2-Fからのフッ素遊離能は最も高かったが、転移反応産物であるX3は全く検出できなかった。一方、両変異型酵素によるX2-Fからのフッ素遊離能は野生型酵素の半分以下であったが、D263Cの加水分解活性がD263Nの15%以下であり良くX3を蓄積することがわかった。
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