2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質に見られるデオキシアミノ糖類の効率的合成法の確立と医薬創製への応用
Project/Area Number |
17780089
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松島 芳隆 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 准教授 (20282816)
|
Keywords | deoxyamino sugar / antibiotic / intramolecular conjugate additon / trichoroacetimidate / oxazoline / dihydrooxazine / vancosamine / vancomycin |
Research Abstract |
アミノ糖は生理活性物質に広く存在するが、中でもデオキシアミノ糖は、エリスロマイシンに代表されるマクロリド系抗生物質、グリコペプチド系のバンコマイシン、アントラサイクリン系抗腫瘍抗生物質であるダウノマイシンなど、数多くの医薬品において活性発現に必須な構造単位であることボ知られている。筆者は抗生物質の活性発現機構の解明や、生合成ルート解明のツールとして、また医薬創製に向けた応用研究を目的としたデオキシアミノ糖の必要性に鑑み、その要求に応えるべく汎用性の高い効率的な新規合成法の開発を目的として研究を行った。昨年度合成研究の過程で見いだしたトリクロロアセトイミダートを基盤とする分子内共役付加(マイケル)反応の有用性を確かめるべく、γ-およびδ-位にトリクロロアセトイミドイル基を有するα、β-不飽和エステル類について本反応を検討した。その結果、種々の基質において前者はオキサゾリン環の、また後者はジヒドロオキサジン環の形成を経由した窒素官能基の導入が可能であった。すなわち、汎用性の高い1、2-および1、3-アミノアルコール等価体の合成法を確立することができた。また、本反応を利用し、バンコマイシンを構成する分岐鎖デオキシアミノ糖であるバンコサミンおよびその異性体の合成することにも成功した(発表論文参照)
|