2006 Fiscal Year Annual Research Report
光親和性標識法によるトビイカ発光タンパクの活性部位の動的解析
Project/Area Number |
17780090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久世 雅樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (40335013)
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Keywords | 生物発光 / 発光タンパク質 / デヒドロセレンテラジン / 質量分析 / セレンテラジン / 光親和性標識 / アジド化合物 / シンプレクチン |
Research Abstract |
光親和性アジド化デヒドロセレンテラジン(Az-F-DCL)を、活性中心探索プローブとして様々な発光タンパク質でも利用できることを確認するために以下の検討を行った。セレンテラジン系化合物を利用する発光タンパク質として、トビイカ発光タンパク質シンプレクチン、オワンクラゲ発光タンパク質エクオリン、そしてホタルイカルシフェラーゼの3つについて、Az-F-DCLを用いて光標識実験を行った。光照射と、加水分解酵素によるペプチド断片への消化、そして光照射生成物の消化物の質量分析による解析と順次行ったが、光照射部位の特定は容易ではなかった。これは、光照射の効率が高くないことに由来していることが考えられた。 そこで、光照射条件を最適化することとした。まず、トリフルオロエタノール(TFE)中で、Az-F-DCLよりも構造をシンプルにした芳香族アジド化合物を数種類合成し、光照射生成物を様々な条件で分析した。生成物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、高圧水銀灯(365nm)よりも低圧水銀灯(254nm)を用いて照射する方がより効率的に溶媒と結合することが判明した。これまで、アジド化合物がすべて消費するまで光照射していたが、これでは、生成物も壊れてしまうことが判明した。しかも、アジド分解物である中間体ニトレンより生成するアゼピン化合物を利用してタンパク質を標識する方が良いことも判明した。これまで、ニトレン中間体を用いて挿入反応によりタンパク標識を試みてきたが、アゼピン化合物へとタンパクを誘導する方法を用いることで、光照射の効率が向上できることが明らかとなった。
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