2005 Fiscal Year Annual Research Report
気相植物ジテルペノイドの受容・代謝メカニズムとその役割の解明
Project/Area Number |
17780093
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
兼目 裕充 独立行政法人理化学研究所, 促進制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (10399438)
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Keywords | ent-kaurene / gibberellin / シロイヌナズナ / 気相 / プラスチド / 輸送 / 代謝 / MEP経路 |
Research Abstract |
ジベレリンの生合成中間体ent-カウレンは、色素体に局在するent-CDP合成酵素(CPS)とent-カウレン合成酵素(KS)によって生合成される。これまでにent-カウレンが数種の植物体から気相へ放出され、シロイヌナズナのga1およびga2突然変異体(CPS又はKS機能欠損株)は気相ent-カウレンを取り込み、矮性から回復することを見出している。本研究では植物から気相放出されたent-カウレンの受容メカニズム解明と活性ジベレリンまでの代謝の化学的実証を目的とする。 気相ent-カウレンが受容され活性ジベレリンまで代謝されるには、細胞外から細胞質、小胞体膜上への輸送と同上P450酵素および細胞質での数段階の酸化を経ることになる。無標識気相ent-カウレンを取り込ませたシロイヌナズナga1突然変異体からのジベレリンの検出を試みた。矮性から回復した新鮮重10gのga1突然変異体から極微量ながらジベレリン類を検出できた。この結果を基に[17,17-d_2]ent-カウレンの取り込み実験を行っている。重水素標識体は代謝の際の同位体効果による取り込み率の低下が懸念されることから、同位体効果が少ないと考えられる^<13>Cラベルent-カウレンの調製も試みた。ent-カウレン過剰生産シロイヌナズナとMEP経路に特異的に取り込まれる[1-^<13>C]1-deoxy-D-xyluloseを用いる系によって、高効率で^<13>Cラベルされた十分量のent-カウレンを調製できたことから、これを用いて同様の取り込み実験を行う予定である。平行して、気相ent-カウレン受容に関わる因子を明らかにするため、変異源処理したga1突然変異体から気相ent-カウレンを受容出来ない変異株の取得を検討している。当年度はM_2種子を得たと共に、気相ent-カウレンによる矮性からの回復の有無を指標としたスクリーニングを開始した。
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