2006 Fiscal Year Annual Research Report
食品タンパク質中の満腹感促進ペプチドの探索と消化管内分泌細胞におけるその受容機構
Project/Area Number |
17780097
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
比良 徹 北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (10396301)
|
Keywords | 消化管内分泌細胞 / 食品たんぱく質 / コレシストキニン / 満腹感 |
Research Abstract |
昨年度の研究において、フジ豆(ツル豆)より調製したペプトン(フジ豆ペプトン)に、食欲抑制作用を有する消化管ホルモンコレシストキニン(CCK)の分泌を強く刺激する活性があることを見いだした。このペプトンが由来するタンパクを明らかにするため、フジ豆たんぱくを等電点沈殿により分画し、各フラクションよりペプトンを調製して、CCK放出活性を調べたところ、等電点5にて沈殿する画分由来のペプトンに強い活性が見られた。この画分には分子量50kDa程のフジ豆の主要タンパクが多く含まれており、プロテインシークエンサーを使ったN末端アミノ酸配列の解析により、Phaseolin様のタンパクであった。Phaseolin由来のペプチドに強いCCK放出活性があることが示唆された。 これまでの研究においてCCK産生細胞株STC-1からのCCK放出を刺激することが明らかとなったα-カゼインをリガンドとして、アフィニティー樹脂を用い、CCK産生細胞株STC-1の膜可溶化成分より、種々のα-カゼイン結合タンパクを分離した。プロテインシークエンサーにより解読できた一部のタンパクのアミノ酸配列は、インテグリン、オーファンGPCRと相同性を持っていたことから、これらの分子がα-カゼイン受容体である可能性が考えられた。 また、STC-1細胞における細胞内情報伝達経路の解析により、この細胞のα-カゼイン認識において、Gαsタンパクが関与すること、ナトリウムチャネルを介した脱分極により細胞内カルシウムシグナルが惹起されることが明らかとなった。上記の受容体候補との関係を今後検討する。
|
Research Products
(2 results)