2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品アレルギーのアレルゲン特異性の決定に関わる内的要因と外的因子の解析
Project/Area Number |
17780101
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
好田 正 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (20302911)
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Keywords | アレルギー / 親和性 / B細胞 / IgE / 経口免疫寛容 / 食品因子 / 個人差 |
Research Abstract |
本研究では,アレルゲン特異性を決定する機構を内的(遺伝的)要因と外的(環境)要因の両面から明らかにすることを目的としている.本年度はアレルゲンに対するIgEおよびIgG1のモノクローナル抗体を作成し,両者のアレルゲンに対する親和性の差異を解析した.さらに,食品アレルギーモデルマウスを用いて経口免疫寛容の誘導に影響を与える食品因子の探索が可能な動物モデルの構築を行った. 1)牛乳アレルゲンであるβ-ラクトグロブリン(β-LG)をBALB/cマウスに免疫し,免疫後7日目に脾臓細胞を摘出した.得られた脾臓細胞とミエローマ細胞をポリエチレングリコールを用いて細胞融合させハイブリドーマを取得した.得られたハイブリドーマを限界希釈によりクローニングし,培養上清を精製することによりβ-LGに特異的なモノクローナル抗体IgE 3種,IgG1 4種を得た. 2)上記モノクローナル抗体とβ-LGの親和性を競合ELISA法で測定した.その結果,IgEの抗原に対する親和性はIgG1の抗原に対する親和性よりも高いことが明らかになった.この結果はB細胞受容体と抗原の親和性がIgEの誘導に影響を与えていることを示している.今後,さらにクローン数を増やして解析して確実なものとする. 3)T細胞受容体トランスジェニックマウスに抗原である卵白アルブミン(OVA)を経口ゾンデにより500mg投与し経口免疫寛容を誘導した.1週間後このマウスに10%卵白アルブミンを含む飼料を自由摂取させることでOVAに対するIgE産生を誘導し,事前に投与した抗原の影響を解析した.しかしながら,経口ゾンデによる抗原投与のみでIgEが産生されてしまい,経口免疫寛容の誘導がIgE産生に与える影響を解析することは出来なかった.今後,IgEを誘導せずに寛容のみを誘導するためにペプチドを抗原に用いることで目的とする動物モデルの構築を行う.
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Research Products
(1 results)