2005 Fiscal Year Annual Research Report
食品の抗酸化機能評価を目指した酸化ストレス産物の一斉解析法の開発
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17780104
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河合 慶親 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50380027)
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Keywords | 酸化ストレス / バイオマーカー / 脂質過酸化 / DNA傷害 / 抗酸化物質 / フラボノイド / GC-MS / HPLC |
Research Abstract |
酸化ストレスは、動脈硬化症やがんなどの生活習慣病をはじめとする種々の疾病に関与していると考えられている。よって生体内の酸化ストレスを測定することは、疾病リスク・老化の程度を間接的に評価する方法の一つであると同時に、酸化ストレスの程度はその時点での生体内の抗酸化力を意味することから、日常摂取する食事由来の食品成分が持つ抗酸化機能性をin vivoにおいて評価するうえで非常に重要である。本研究では、酸化ストレス測定の指標(バイオマーカー)として、(1)脂質過酸化物、(2)DNA傷害産物、(3)食品由来抗酸化物質に焦点を当て、これらを高感度に測定するシステムを構築し生体試料からの網羅的解析につながる基礎的測定条件の検討を試みた。脂質過酸化物については、不飽和脂肪酸の初期過酸化産物である脂質ヒドロペルオキシド及びその分解産物であるアルデヒド類についてガスクロマトグラフィー質量分析計により測定することが可能となった。また、生体試料からの前処理法としてTLC-ブロット法が有効であることも明らかとした。DNA傷害産物については、グアニン残基の酸化マーカーである8-ヒドロキシグアニンに加えて、4-オキソノネナール(ONE)-グアニン付加体について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)-電気化学検出によりpmolレベルの高感度で検出可能な分析系を構築した。ONE付加体については、特異的モノクローナル抗体を利用してイムノスロットブロット法による培養細胞DNAからの免疫化学的検出も可能となった。また、食品由来抗酸化物質として野菜中に幅広く含まれるケルセチンに着目し、ヒトあるいはラットがケルセチンを経口摂取した際に血中に見出される代謝産物についてのHPLC分析条件を検討した。以上の結果より、生体内の酸化ストレスの多様性を評価する基礎的条件が確立した。
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