2005 Fiscal Year Annual Research Report
環状糖類を用いた機能性香気成分の分子選択的包接とその機能性評価に関する研究
Project/Area Number |
17780106
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 洋哉 九州大学, 農学研究院, 助手 (00325490)
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Keywords | シクロデキストリン / マイクロカプセル / 香気成分 / 分子包接 |
Research Abstract |
本実験ではCDによる種々の機能性を有する芳香族化合物の包接を試み、その包接挙動を蛍光スペクトル測定により詳細に検討した。CDとして、α-、β-、γ-CDを使用し、モデル化合物としてcinnamaldehyde, raspberry ketone, eugenol, caffeic acid, ferulic acidを選択した。 10%エタノール溶液中での包接挙動を検討した結果、いずれの化合物もCD濃度の増加に伴い蛍光強度が増加する傾向が認められ、CDにより包接可能であることが判明した。続いて、得られた結果を基に結合定数(K)の算出を試みた。K値の算出には、CD濃度の逆数に対して蛍光強度増加量の逆数をプロットするBenesi-Hildebrand plot(BH-plot)を用い、得られた近似直線のy切片を傾きで割ることによってK値を求めた。その結果、いずれの場合もプロットが2本の直線により構成され、CDが低濃度の場合には[CD]:[Guest]=1:1の、高濃度では2:1の包接体が形成されることが判明した。なお、1:1包接体のK値は2:1の包接体のものより1オーダー高い結果であった。cinnamaldehydeのK値はα-CD<β-CD<γ-CDの順となったが、eugenolではβ-CDでのK値が最も高い結果となり、化合物により最適なCDが異なることが判明した。またK値はエタノール濃度の増加、あるいは温度の増加に伴い減少する結果となった。さらに、化学計算ソフトを用いて各化合物のlog P値(1-octanol/H_2O分配係数)を算出し、各化合物のK値をlog Pに対してプロットした。その結果、いずれも相関係数0.9以上の良好な相関が得られたことから、本実験で用いた化合物に関しては、log Pすなわち化合物の疎水性を考慮することによりCDに対する包接性を評価可能であることが示された。
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