2005 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶成分エピガロカテキンガレートの結合するアミノ酸配列と抗ガン作用の解析
Project/Area Number |
17780108
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
佐伯 晃一 国立国際医療センター(研究所), 血液疾患研究部, 研究員 (40360052)
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Keywords | 癌 / 食品 |
Research Abstract |
本研究では、フィブロネクチンおよびHRGのEGCG結合アミノ酸配列を同定することによって得られたEGCG結合アミノ酸配列予測法により、EGCGによる抗ガン作用に関与している分子のEGCG結合部位を同定し、その作用機構の一端を明らかにすることを目的とする。 フィブロネクチンおよびHRGのEGCG結合アミノ酸配列より得られた情報から、マルチプルアライメントを用いて、フィブロネクチンにおけるEGCG結合アミノ酸配列を絞り込むことに成功した。得られたアミノ酸配列情報に基づき、フィブロネクチンの組換え体を293細胞に発現させ、細胞破砕液に含まれるフィブロネクチンの組換え体がEGCG固定化カラムに結合することをウエスタンブロット法により証明した。この成果は2005年12月に行われた第28回日本分子生物学会年会において発表を行った。ラミニンレセプターを発現させたA549肺ガン細胞において、EGCG刺激による増殖抑制、およびラミニンレセプターとEGCGの結合が報告されている。EGCG結合アミノ酸配列予測法を用いると、確かにEGCG結合アミノ酸配が存在した。しかし、結合予測部位は複数存在し、1つはラミニンレセプターのN末端側細胞内ドメインに存在した。この細胞内ドメインを欠失させたラミニンレセプターを293細胞に発現させ、EGCG固定化カラムを用いてEGCGに対する結合能を野生型のラミニンレセプターと比較したところ、欠失変異体ではEGCGに対する結合能は低下した。現在、ラミニンレセプターに複数存在するEGCG結合部位の欠失箇所を組み合わせた変異体を作製し、EGCG結合部位の同定を試みている。
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