2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780110
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
上野 有紀 同志社大学, 研究開発推進機構, 講師 (20388060)
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Keywords | 糖尿病 / 脂肪細胞 / 抗酸化食品因子 / アディポネクチン / クルクミノイド |
Research Abstract |
1)ショウガ科植物による2型糖尿病への効果 ショウガに含まれる6-gingerolは辛味成分として知られており、抗酸化作用、抗炎症作用などが知られる。我々はこれまでに、マウス脂肪細胞株3T3-L1を用いた実験で、抗糖尿病作用を示すアディポネクチンの発現がインスリン抵抗性惹起分子の一つとして知られるTNF-αにより低下するのを6-gingerolが抑制することを見出してきた。本研究では、ショウガの経口摂取による2型糖尿病抑制作用を検討した。 2型糖尿病モデルdb/dbマウス(5週齢、雄)を1週間の予備飼育後、2%ショウガ粉末を含む通常飼料を経口摂取させた。その結果、摂食量および体重は通常食群とショウガ摂取群間で有意差は認められなかったが、ショウガ摂取群では血糖値および血清中トリグリセリドが通常食摂取群と比較して有意に低下し、さらに耐糖能の改善が見られた。今後この作用機序の検討を進める予定である。 2)抗酸化食品因子が脂肪細胞における遣伝子発現に与える影響 クルクミンは抗酸化作用、抗炎症作用等の生理作用を有するが、糖尿病の発症と関連のある脂肪細胞機能への影響はまだ明らかではない。そこでクルクミン(Cur)とその代謝産物テトラヒドロクルクミン(THC)が脂肪細胞における遺伝子発現に与える影響をDNAマイクロアレイ解析により行った。CurまたはTHCにより発現上昇した遺伝子のうち、Cur、THCのそれぞれにより発現上昇した遺伝子とCurとTHCに共通して発現上昇した遺伝子に分類され、抗酸化酵素関連遺伝子、脂質代謝関連遺伝子等を多く含んでいた。さらに他の抗酸化食品因子としてアントシアニンとクルクミノイドの遺伝子発現への影響を比較したところ、共通する遺伝子と共通しない遺伝子があることが明らかになった。今後、遺伝子発現機構の詳細を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)