2005 Fiscal Year Annual Research Report
経口感作されたCD4陽性小腸上皮内リンパ球と全身免疫応答との相互作用の解明
Project/Area Number |
17780112
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Research Institution | National Food Research Institute |
Principal Investigator |
後藤 真生 独立行政法人食品総合研究所, 食品機能部, 主任研究官 (30302590)
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Keywords | IEL / GALT / 経口抗原 |
Research Abstract |
OVA特異的TCRトランスジェニックマウスであるDO11.10にOVAを断続的に低濃度の抗原を飲水により経口投与し、2週間後のIELの抗原特異的応答、抗TCRγδ抗体で刺激した応答においてコントロール群と比較を行った。抗原特異的応答はD011.10由来IEL(0.5×10^5 cells/well)に抗原提示細胞としてマイトマイシンC処理した脾臓細胞(5×10^5 cells/well)、OVA 40μMを添加した。細胞増殖は70時間後に、BrdUを培養中に添加、2時間後に細胞を回収し、BrDU化学発光ELISAで測定した。 また培養24時間後の培養上清でIL-2、48時間後の培養上清でIL-4,5、72時間後の培養上清でIL-10,IFN-γをELISAで測定した。 その結果、経口抗原投与群では脾臓細胞は抗原特異的増殖が亢進する傾向であったが、IELにおいては抑制される傾向が見られた。また抗原特異的サイトカイン産生では、経口抗原投与群において抗原特異的IL-2,IL-4の産生が抑制される傾向が見られた。その一方でIL-5、IL-10、IFN-γの産生量はコントロール群と経口抗原投与群において差異が観察されなかった。またTh1/2の指標としてIFN-γ/IL4を算出したが、経口抗原投与群とコントロール群で有意な差は観られなかった。 またプレートコートした抗mouse TCR γδ抗体(UC7-13D5)(0,1,5,10μg/ml)による刺激において同様の検討を行ったが、細胞増殖とサイトカイン産生は全く観察できなかった。 IELにおいてはallelic exclusionが不完全であることが知られており、TCRαβ遺伝子の導入でγδ-IELが何らかの機能不全を起こしている可能性が考えられた。来年度は抗γδ抗体を別の種類のものに代えて、確認を行う予定である。
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