2007 Fiscal Year Annual Research Report
経口感作されたCD4陽性小腸上皮内リンパ球と全身免疫応答との相互作用の解明
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17780112
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
後藤 真生 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所・食品機能研究領域, 主任研究員 (30302590)
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Keywords | IEL / GALT / 経口抗原 |
Research Abstract |
OVA特異的TCRを発現するDO11.10マウスに低濃度OVAを2週間断続的に経口投与し、IELの磯能を確認したところ、IELは免疫抑制能を持つが、経口感作により減弱することを示した。本年度はIELを分画し、経口感作による免疫抑制能変化の機構解析を行った。 <実験方法>IELsをMACSにより、CD4^+CD8^-,CD4^+CD8^+,CD4^-CD8^+,CD4^-CD8^-に分画した。 1)各IELs画分の抗原特異的増殖とサイトカイン産生を観察した。 2)特異抗原刺激したDO11.10マウスの脾臓細胞をresponder、IELsの各画分をactivatorとした共培養において、抗原特異的増殖とサイトカイン産生の検討を行った。 <結果>1,CD8^-CD4^+(SP)IELSの抗原特異的増殖およびIL-2、IFN-γ産生は経口感作により減弱した。 2,CD8^+CD4^+(DP)IELsに抗原特異的増殖能はなく、IL-2、IFN-γ産生は経口感作により増強した。 3,脾臓細胞の抗原特異的応答においてSP-IELs添加は細胞増殖とIL-2,IL-4産生を抑制するが、DP-IELs添加はIL-5産生を亢進することが示唆された。 4,SP-IELsの免疫抑制能は経口感作により減弱した。 5,DP-IELsには免疫抑制能はないが、他の免疫細胞のIL-5産生を亢進し、その活性は経口感作により増強された。 <考察>経口感作によりSP-IELsにおいて制御性T細胞と考えられるCD25陽性画分が減少する(昨年度報告)ことにより感作SP-IELsの抑制機能の低下につながると考えられた。またSP-IELsとDP-IELsはその抗原応答性、機能とも大きく異なり、経口感作によって増大したDP-IELsもSP-IELsが再分化したものではなく、全く異なるlineageの細胞であることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)