2007 Fiscal Year Annual Research Report
森林における地温の上昇が樹木細根の生産量と枯死量に与える影響の評価
Project/Area Number |
17780131
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
野口 享太郎 Forestry and Forest Products Research Institute, 立地環境研究領域, 主任研究員 (70353802)
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Keywords | 細根動態 / スギ / 地温 / ミニライゾトロン |
Research Abstract |
茨城県かすみがうら市の30年生スギ人工林において、平成18年12月に開始した試験地土壌の加温処理を継続し、加温区と無処理の対照区において深さ0-20cmの細根生産量および消失量(枯死・脱落量)をミニライゾトロン法(地中に埋設した透明管の表面に出現する根を観察する方法)により解析した。 冬季(12月〜2月)、春季(3月〜5月)、夏季(6月〜8月)、秋季(9月〜11月)における加温区の地温は平均して約12、16、26、24℃であり、対照区の約7、11、21、16℃に対して+5〜8℃の温度に維持することができた。 1ヶ月に一度の頻度でミニライゾトロン上の細根を専用のカメラ(BTC100X、 Bartz Technology社)で撮影し、根系画像解析ソフトウェア(WinRHIZO Tron MF、 Regent社)を利用して細根長の動態を測定した。その結果、冬季、春季、夏季、秋季のミニライゾトロン上の細根生産量は加温区で約60、40、60、100mm/tube、対照区では約10、30、20、30mm/tubeであった。これらの結果は、現在の地温からの5〜8℃程度の地温上昇は細根生産量を増加させ、その影響が冬季に最も顕著に表れることを示唆している。また、春季から秋季の生育期間中では、地温上昇の影響は秋季に大きいことが示唆された。平成18年12月から平成19年11月にかけての1年間の細根生産量は加温区で約270mm/tubeで、対照区(約90mm/tube)の約3倍であり、同期間の細根消失量は加温区と対照区でそれぞれ約160、40mm/tubeであった。これらの結果は、現在の地温からの5〜8℃程度の地温上昇は細根生産量だけでなく、細根消失量の両者を増大させる可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)