2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17780135
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 和良 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (90344308)
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Keywords | 北方林 / 森林積雪 / アルベド / 降雪遮断 / 着雪量 / 水循環 |
Research Abstract |
北海道北部に位置する母子里の針広混交林で、森林内外における積雪水量の自動計測、微気象観測、ならびに樹冠上でのカメラによる冠雪状態の記録とスペクトルアルベドの観測を開始した。 また、同時に森林樹冠着雪のパラメータ化を目的として、北方林を代表する樹種(エゾマツ、カラマツ、カンバ)について、防災科学技術研究所・長岡雪氷防災研究所新庄支所の人工降雪実験装置を用いて、降雪量と森林冠雪量の関係を求めるための実験を行った。 主な結果をまとめると,(1)両個体ともに、葉をむしった後は、半分程度の着雪速度になり、葉の影響は着雪速度に影響すると考えられる。また、着雪が開始する積算降雪量は、葉をむしった後では、大きくなることが分かった。これは、枝の上への着雪量は大きくないが、枝に積雪が付着して行くに従い、枝と枝の隙間を埋めることで、見かけのPAIを大きくしてから、本格的な着雪が始まることを示す。そのほかの本実験の興味ある現象として、落雪が周期的(5mmぐらいの積算降雪量)に現れ、その後1mmから1.5mm程度の着雪量に落ち、前と同じ速度で着雪量が再び増加する現象である。このことは、着雪量の有無によって、着雪速度の立ち上がりが変動しないことを示す。(2)最大の着雪量は、葉をむしった後では6-7mmであったのに対し、着葉状態では4-5mm程度と、葉をむしった後の方がわずかながら大きくなった。弱風条件下では、着葉状態よりも、落葉状態の樹体の方が多く着雪することが明らかになった。また、最大着雪量とLAIあるいはPAIとの関係を見た結果、LAIとは正の相関が見られたが、PAIについては不明であった。 来年度は、今年度測器の輸送許可についての問題があったため延期した、東シベリア・ヤクーツク市近郊のカラマツ林を対象とした観測を行う予定である。
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