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2005 Fiscal Year Annual Research Report

製紙用パルプの酸素脱リグニン過程における炭水化物の分解抑制技術の開発

Research Project

Project/Area Number 17780136
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

横山 朝哉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10359573)

Keywords酸素 / 脱リグニン / 活性酸素種 / パルプ / 炭水化物
Research Abstract

本研究では、実際の酸素脱リグニン過程を忠実に再現するため、分子状酸素とフェノール性化合物2,4,6-trimethylphenol(TMPh)との反応により活性酸素種をin situに生成させ、非フェノール性リグニンモデル化合物(1-(3,4-dimethyoxyphenyl)ethane-1,2-diol, veratryl glycol(VG))と炭水化物モデル化合物(methyl β-D-glucopyranoside(MGP))へのこれら活性酸素種の相対反応性(反応選択性)を検討した。
系中でモデル化合物を直接攻撃する様々な活性酸素種、すなわち、ヒドロキシルラジカル(HO・)や酸化的連鎖反応中間体等をそれぞれOX_1,OX_2,…,OX_n,…とすれば、モデル化合物の分解速度は-d[VG]/dt=k_<VG>(t)[VG]Σ[OX_n]、-d[MGP]/dt=k_<MGP>(t)[MGP]Σ[OX_n]で表せる。これらを変形してまとめると、k_<VG>(t)/k_<MGP>(t)=(d[VG]/d[MGP])([MGP][VG])が得られる。左辺は、ある反応時間において系中で働く全活性酸素種のVG・MGPへの反応選択性値を表す。この式を用いて以下の結果を得た。
初期pH11.8の反応において、反応時間30分まではk_<VG>(t)/k_<MGP>(t)は一定値2.1であった。Giererらによれば、HO・のveratrylglycerol-β-guaiacyl ether・MGPへの反応選択性値は2.7である。また、反応時間30分までは系中にTMPhが存在するため、連鎖反応は長く続かないと考えられる。これらの事実から、本反応系において、反応時間30分までにVG・MGPを攻撃している活性酸素種は、主にHO・であると予想された。初期pH13.1においてはk_<VG>(t)/k_<MGP>(t)=0.3であり、HO・のpK_a値が11.9であることを考慮すると、この値は、HO・の共役塩基O^-・の反応選択性値と考えられた。したがって、pHにより反応選択性値が大きく異なった。反応時間30分以降では、TMPhが存在しないため連鎖反応が長く続くことが予想される。この間のk_<VG>(t)/k_<MGP>(t)のpH依存性は徐々に低下した。したがって、連鎖反応では、系のpHよりモデル化合物の構造が反応速度に影響することが示唆された。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Characterization of Active Oxygen Species under Oxygen-Alkali Bleaching Conditions2005

    • Author(s)
      Tomoya Yokoyama, Yuji Matsumoto, Gyosuke Meshistuska
    • Journal Title

      Holzforschung 59・3

      Pages: 269-275

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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