2006 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水処理を用いた木材からのバイオエタノール生産
Project/Area Number |
17780139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮藤 久士 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00293928)
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Keywords | 再生可能エネルギー / バイオマス / 超臨界水 / 酵素反応 / エタノール発酵 / 木材 |
Research Abstract |
スギおよびブナ木粉に対して加圧熱水処理や超臨界水処理を行い、各種糖類が可溶化した水可溶部を得た。高速液体クロマトグラフ分析の結果、グルコース、フルクトース、キシロースやそれらのオリゴ糖などが得られていることが明らかとなった。また、糖の過分解物である5-ヒドロキシメチルフルフラールやフルフラールなどのフラン化合物およびシリンガアルデヒドやバニリンといったリグニン由来のフェノール性化合物も同時に含まれていることが明らかとなった。 木質炭化物処理により発酵阻害を引き起こすと考えられる糖類以外の成分を水可溶部から吸着・除去し、酵母S.serevisiaeとP.tannophilusの混合系でのエタノール発酵を試みた。さらに別の発酵系としてS.serevisiaeとキシロースイソメラーゼの混合系での各種単糖類のエタノール変換を試みた。どちらの発酵系においても、水可溶部に含まれるほとんど全ての単糖がほぼ定量的にエタノールへと変換されることが分かった。しかしながら、S.sereVislaeとP.tannophilusの混合発酵系の方が発酵に要する時間が短く効率的な発酵系であることが明らかとなった。さらに、水可溶部中に含まれるオリゴ糖もエタノールへと変換することを目的とし、セルラーゼとS.serevisiaeの混合系およびキシラナーゼとP.tannophilusの混合系での並行複発酵を行った結果、どちらの発酵系においても、オリゴ糖がエタノールへ変換されうることが明らかとなり、木材からの高効率なエタノール生産プロセス構築へ向けた基礎的な成果が得られたものと考えられる。
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