2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規モデル海洋植物スサビノリのゲノム研究基盤技術の開発
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17780147
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 博寿 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 寄附講座教員 (60396306)
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Keywords | スサビノリ / transformation / 突然変異体 / 発現マップ / モデル海洋植物 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は、1)発現ベクター開発のため、複数の遺伝子のプロモータ領域の単離及び配列決定を行なうこと、2)複数の抗生物質や除草剤を用いてスサビノリの薬剤感受性を調べること、および、3)現在までに得られている色彩の変異を示す突然変異体を用いて交雑実験を行なうことであった。 【方法】1)について、inverse PCR法を用いて、8種類の遺伝子について既知の配列から上流の配列の単離および同定を行なった。2)について、9種類の抗生物質及び2種類の除草剤を用いて薬剤感受性について調べた。3)については、緑色変異株(MG株)および赤色変異株(MRR株)の2種の変異株を用いて交雑実験を行なった。 【結果】1)について、8種類の遺伝子すべてにおいて上流配列の単離に成功した。これらの配列は、短いものでは244bp、長いものでは2729bpであった。2種類のプロモータ予測ソフトを用いて配列解析を行った結果、7種類の遺伝子の上流配列にプロモータと予測される配列を見出した。2)では、葉状の配偶体においては、ジェネティシン・ハイグロマイシンB・ペニシリンGの3種、また、単胞子においてはこれらの3種に加え、ネオマイシン・スペクチノマイシン・SMMにおいて感受性があると判断された。これらの結果から、それぞれの耐性遺伝子である、nptII, hpt, aadA, bla, AHAS(W492S)がスサビノリの形質転換における選択マーカーとして有用である可能性が示された。3)については、野生株(W株)と上記2種の変異株および変異株同士の交雑を行った。
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